04エビデンス B

突然のめまい、複視、片目の暗転、あるいは指で自分の鼻先を指せない。これらも脳卒中として 120 を呼び、記録すべき症状です

「顔のゆがみ、腕の上がりづらさ、言葉の話しにくさ」の3項目だけでは、多くの脳卒中を見逃してしまいます。なぜなら、初期症状として口のゆがみや手の麻痺が現れない脳卒中もあるからです。「ふらつき、物が二重に見える、または欠けて見える」といった症状も加えることで、見逃し率は 4.4% まで低下します。突然のめまい、複視、指で鼻先を指せないといった症状も、同様に 120 を呼び、発症時間を正確に記録してください。

費用・手間

費用はかかりません。「顔のゆがみ、腕の上がりづらさ、言葉の話しにくさ」の3つの動作(第 3 条、突然の口のゆがみ、言…

効果

アメリカのケンタッキー大学脳卒中センターは、2014 年間にわたり、736 例の急性虚血性脳卒中(血管の閉塞による脳卒中)の症例をレビューしました。

費用・手間

費用はかかりません。「顔のゆがみ、腕の上がりづらさ、言葉の話しにくさ」の3つの動作(第 3 条、突然の口のゆがみ、言葉のもつれ)に、さらに2つの動作を加えます。一つは、まっすぐ立って目を閉じ、ふらつきがないかを確認し、あわせて物が二重に見えないか、欠けて見えないかを確認することです。もう一つは、疑わしい場合に自分の指で鼻先を指し、目を閉じてもう一度指すことです。

効果

アメリカのケンタッキー大学脳卒中センターは、2014 年間にわたり、736 例の急性虚血性脳卒中(血管の閉塞による脳卒中)の症例をレビューしました。その結果、14.1% の患者において、発症時に「顔のゆがみ、腕の脱力、言葉の話しにくさ」というFASTの3症状が全く見られませんでした。「歩行の不安定さ、足の力の入りにくさ、視覚症状」もスクリーニングに含めることで、見逃し率は 14.1% から 4.4% に減少しました。

出典

Aroor S, Singh R, Goldstein LB (2017). BE-FAST (Balance, Eyes, Face, Arm, Speech, Time): Reducing the Proportion of Strokes Missed Using the FAST Mnemonic. Stroke, 48(2), 479-481. https://doi.org/10.1161/STROKEAHA.116.015169

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著者の注記

小脳や脳幹領域の血管が詰まった場合(後方循環梗塞)は、口のゆがみや手の麻痺が伴わないことがよくあります。症状としては、めまい、ふらつき、複視(物が二重に見える)、飲み込みにくさ(むせ)などが主であり、頸椎症、低血糖、良性発作性頭位めまい症(耳石症)と誤認されやすく、治療が遅れる原因となります。指で鼻を正確に指せない、目を閉じると立てないといった症状は、小脳の障害を示す兆候です。ただし、脳卒中を完全に否定できる動作はありません。突然症状が現れ、改善しない場合は 120 を呼び、発症の正確な時間を記録してください。なお、本研究は1つの病院の症例のみを対象としており、著者自身もさらなる検証が必要であると明記しています

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